2011/11/25

可愛い悦子

宇都宮の実家へ帰省するたび母、悦子は「髪を切って」「髪を染めて」と言う。
今回も忙しくてほったらかしの髪を、切ってというので切った。

ものすごく柔らかいくせっ毛で、適当に切ればいつも大体格好がつくのだが、
今回は疲れのせいか互いに集中力が持続せず、結構ひどい頭になってしまった。

(悦子は71歳だけど天真爛漫だし、まあこんな頭でも大丈夫だろう)と心で思っていたら、
沈黙が不安だったのか、可愛いか?と聞く。
「可愛いよ、大丈夫だよ」と答えると「ふふふ」と嬉しそうに笑った。

鏡の前で「軽くなった軽くなった」と散切り頭で心底喜んでいる姿が
本当にあんまり可愛いかったので、思わず泣いてしまいそうだった。
ずっとこのままでいてほしいなあと思った。

かつて耳を切りかけたことがあるのに私を信じる母、悦子よ、永遠に髪を切らせておくれな。