2011/11/25

可愛い悦子

宇都宮の実家へ帰省するたび母、悦子は「髪を切って」「髪を染めて」と言う。
今回も忙しくてほったらかしの髪を、切ってというので切った。

ものすごく柔らかいくせっ毛で、適当に切ればいつも大体格好がつくのだが、
今回は疲れのせいか互いに集中力が持続せず、結構ひどい頭になってしまった。

(悦子は71歳だけど天真爛漫だし、まあこんな頭でも大丈夫だろう)と心で思っていたら、
沈黙が不安だったのか、可愛いか?と聞く。
「可愛いよ、大丈夫だよ」と答えると「ふふふ」と嬉しそうに笑った。

鏡の前で「軽くなった軽くなった」と散切り頭で心底喜んでいる姿が
本当にあんまり可愛いかったので、思わず泣いてしまいそうだった。
ずっとこのままでいてほしいなあと思った。

かつて耳を切りかけたことがあるのに私を信じる母、悦子よ、永遠に髪を切らせておくれな。

2011/11/15

ささこちゃん

色々ささこ

こちらは私の勤務先、某こども図書館の非公認キャラクター「ささこ」です。
思い切り勝手に描いてチラシなどに度々登場させています。
ささこは時折、探偵ササコになってタイトルのはっきりしない本などを捜してくれます。
とても楽しい図書館なのでおおっぴらに宣伝したいけど大人の世界は色々ある。
のでこの子だけ宣伝。
とってもいい子。

2011/10/24

マンガ家さんたちと岩手へ行く

色々書きたいなと思っているうちに時間が経ってしまったのですが、10月の8、9、10日と、著名なマンガ家さんたちのボランティアツアーにご一緒させてもらって岩手へ行ってきました。

ああ緑がきれいだなあ ああ海だ いつもはこんなに穏やかなんだなあ あぁ瓦礫だ あぁ・・
ああ山だ たぬきだ くるみだ あぁ瓦礫だ あぁ・・
という繰り返しだったと思います。


ボランティアの内容は草刈り、小さな図書館作り、支援物資の仕分けなど。
かなりの肉体労働もあって皆さんとても疲れていらっしゃったのですが、私は筋肉痛がほとんど出ず、若いのかなあと思って後から写真を見返してみたら、ぼうっと突っ立っている写真ばかりでした。
次は頑張ろうと思います。


私はそもそも夫の弁当作り以外、人の為に何かをするってことが得意でなくて、ボランティアというのを考えたこともなかったのですが、支援にも色々あるようで遠くにいてもできることはたくさんあるようです。

今回お世話になった被災地支援チームSAVE IWATEのホームページでは、今何が必要でどうすることができるかが書かれています。
http://sviwate.wordpress.com/
(「ほしいものリスト」で注文すれば直接支援物資を送れます)

また「復興ぞうきん」という収入支援活動もされていて、刺繍糸や刺し子糸を募集しています。
(これはあくまで今現在の情報です、送られる方は確認を)

あと豊富にとれるクルミでもってどうにかできないかとおっしゃっていたなあ。


何だかごちゃごちゃしてしまったが、考えてもみなかったことを考える機会を頂けて、ありがたい岩手ツアーでした。
ちなみに最後の夜、皆で慰労しあう大事な時間に、一口目に食べたエビの刺身で初めてのアレルギー症状が勃発。
尻の穴まで腫れ上がって命の危険を感じました。
よりによって何故今なのかと自分を呪いながら寝て過ごした夜、一生忘れない。


2011/09/11

少なくとも130歳

小学生の頃、平均値の求め方を覚えた私は、毎夜、
新聞の死亡欄の平均寿命を算出してから眠りにつくという
ちょっといやな子供になってしまった。

私は父が44歳の時の子なので、その頃、父と歩いていると
「あら、おじいちゃんと一緒なの」などとよく言われた。
子供ながらに「失礼だなあ」と思ったけれど、私自身が傷つくというよりは、
父が傷ついてるんではないかと思って、いつも父の顔を見れなかった。

って改めて考えると、やっぱり私も傷ついていたのだな。
自分が親といられる時間は、みんなが親といられる時間より
おそらく短いってことが、淋しかったんだろうなあと思う。
だから世の平均寿命を計算しては、私なりにその不安と向き合おうと
していたんではないかと思う。
平均が90歳をこえた日や100歳以上生きた人を確認した日は
小躍りして喜んだもの。

そして小さい私は更に欲張って、来世にまで持ち越すことを覚えた。
生まれ変わってまた両親と親子になることを信じるようになったのだ。

ありがたいことに今も両親ともに元気。
お願いだからあと50年は生きてください。



2011/08/29

暑さのせい

今夏はたくさん吐いたなあ。
吐く度に脳の血管が切れて、幾つかずつ大切な思い出を忘れてしまう気がするなあ。
      

そういえば何年か前、友人Yが「うちの近所にはハイエナがいる」と言ってきかなかった。
そんな訳ないじゃん、と何度言ってもきかなかったな。

これはまだ忘れてない思い出。忘れたくないなあ。

2011/08/15

少し懐かしむ

2週間以上も風邪をひいて寝込んだので、グリズリーに気合を入れてもらう。


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


寝込んでいる間、ベッド脇に絵本やマンガを山積みにして
いろいろ見ていたのだが、マンガ『眉白町』を久しぶりに開いて、
やっぱり素敵だなあと思った。

そういえば人生初のPCを購入した際、
一番最初に調べたキーワードは確か「椎名品夫」「眉白町」だったなあ。
なんでこの作者、椎名品夫さんはこの作品一つしかないんだろうと
気になったんだ、下世話だけども。
この何とも幻想的な、さらっと美しいマンガ一つ残してさらっといなくなるなんて、
全部ひっくるめて作品『眉白町』って感じがする。
実際さらっといなくなられたのかわからないけれど。

『眉白町』を買ったのは、インターネットって何ですか、
ウィンドウズって何ですかってぐらいの学生の頃。
その頃は、『まんだらやの良太』を全巻揃える為に目を皿のようにして古本屋を廻ったりしたな。
何故かどこの店も同じ巻が抜けてたり、
何年もかかってあと1、2冊で揃うって時に全巻セットを見つけて、
複雑な気持ちになったり。(結局買った)
PCがなかった頃の方がずっと、物に触れる感動があったなあと、正直思う。
物語に触れる感覚はどうかな、変わってないと信じたい。

ってなんだか寝込んだせいで老けたか。
グリズリー、もっと気合を入れてくれっ。




2011/08/01

久しぶりの鼻血

呼吸器の検査中に激しく咳き込み、鼻血を出した。


背中をさすってくれた臨床検査技師のお姉さん、美人だったな・・
 

2011/07/30

さよなら チーチー

今朝、職場にて。
羽根と足が傷ついてたすずめが私の手の中で死んだ。
死ぬ間際にウンチをブリブリして死んだ。
目の前でカラスに襲われていたのを朝拾って昼にはもう死んだ。

最初から衰弱していたのに、私は死なないと思って、早々にチーチーと名付けた。
何故チーチーかというと、すずめは喜んでる時、そう鳴くらしいから。
でもチーチーはジュクジュク鳴いていた。かまわないでって怒っていたんだな。

小さくて柔らかくてあんまりに可愛くて、あっという間に死んでしまって、私は号泣した。
同僚は呆気にとられたかもしれない。
その後もうまく泣き止めなくて、落ち着くためにチーチーの絵を描いた。
こんなことが許される職場でありがたいな。

本当、あんまりに可愛くてはかなくて、可哀想だったんだ、チーチー。

チーチー、成仏してください。
また可愛い声を聞かせてください。
うえ~ん チィィ~チィィィィ~~~


2011/07/27

テレビ

ああ 当たり前の存在だったあなた・・分かる言葉を話しておくれ

2011/07/19

笑って許して

 少し遡って、展覧会にあたふたしていた真夏日真昼間。

大勢の人でごった返す某駅前で、ホームレスと思しき男性が、
15メートルほど先から何故か私めがけて直進してきた。
そして満面の笑みを浮かべてこう言った。

「一週間何にも食べてないんで、お金をください」

ものすごく迷った。
たぶん嘘なんだろうなと思った。だってビニール袋からパンが見えたもの。
でも嘘でもいいかなあと思った。そういう笑顔なんだもの。

それでも結果、渡さなかった。
私も区役所に医療費の助成金の申請をしに行く立場だったから。
なので、一緒に相談しに行かないかと誘ってみた。
しかし当てが外れたと分かると、笑顔のまますっと立ち去って行った。

それから区役所の行き帰りごにょごにょと考えた。
相談先は区役所じゃなくてホームレス支援団体だったかなあとか、
この辺だとどこがいいのかなあとか。
帰り道にまたおじさんがいたら話してみようと思って、駅に戻り探してみると、いた。

おじさんは私と同じくらいの女の人から、ちょうどお金をもらってるとこだった。
相変らずとびっきりの笑顔だった。
私はそのままギャラリーに向かった。

2011/07/12

ピンポイントの展覧会御礼

ピンポイントギャラリーにての2人展が無事終了しました。
猛暑の中、本当にたくさんの方に来ていただいて、とても嬉しかったです。

出版社の方々や友人親戚親兄弟のほか、
チラシかHPかを見て飛行機で九州から来てくださった方もいて、本気で泣きました。

応援してくださる方がいるというのは心強いことです、
ふぬけてなど居られないぞと今強く思っております。


それにしても期間中ずっと一緒だったさいとうかおりさん、
展覧会の相手がさいとうさんで本当によかったと思う。
2人とも絵本を志して3年、ピンポイントも3回目での受賞、同い年。深い縁を感じる。
彼女の、本気でいい作品を作りたいんだという力強さが、私の事まで後押ししてくれる。
いい仲間ができて嬉しい。本当に嬉しい。

私は絵本もマンガも描きたいと思う。
一足だってちゃんと履けてないのに二足のわらじを履きたいなんて笑われるかもしれないが、
二足ちゃあんと履ける日が来たらいいなと思う。
青臭い34歳、ああ頑張る頑張る。


皆様、誠にありがとうございました。


動物の絵を褒められたので、動物の絵で御礼申し上げます


2011/07/03

展覧会のお知らせ 2

第12回ピンポイント絵本コンペ 優秀賞 2人展

    さいとうかおり「あくびのポストくん」
    おくやまゆか「レッツゴーシスターズ!」

   2011年7月4日(月)~9日(土)
       13:00~19:00(土曜は17:00まで)



二人ともほとんど毎日いる予定です。(5日だけ私、夕方5時頃までおりませんが。)
4日の17:00からはオープニングパーティーもあるようです。明日か。
是非いらしてくださいませ。


《ピンポイントギャラリー》
銀座線、千代田線、半蔵門線 表参道駅より徒歩3分。B3、B1出口より渋谷方向へ進み、
1つ目の信号(南青山5丁目交差点)を渡り左側。※骨董通りをはさみ、MaxMara正面のビル。


2011/06/29

キンシコウのノボル


全部黒目だから変な角度でも目が合う。実寸30㎝

ここのところ毎朝、まなこを開いた瞬間にキンシコウのぬいぐるみ、ノボルと目が合う。

ノボルとは、数年前の誕生日に友人と行ったズーラシアで出会った。
幼少時以来ぬいぐるみを愛する心を忘れていた私だが、棚に並んでいたノボルに何の気なしに触れた瞬間、脳天に衝撃が走りレジに走った。
「出会った瞬間運命の人(サル)だって思った」って感じか。

友人も運命を感じたのか同じぬいぐるみを連れて帰ったので、友人宅へ行くとノボルによく似たのがいる。
そっちの子の名はもんちゃん。似ているだけでやはり微妙に顔の造形が違う。
もんちゃんは品がある。うちのは凶暴。でもやはりわが子が可愛い。

キンシコウは 中国、チベットに生息の霊長類で絶滅が危ぶまれているらしい。
金色の猿、好き。絶滅したら悲しい。

2011/06/20

もげるよもげるよ

昨日仕事帰りに夫と待ち合わせて渋谷の東急ハンズへ。
展覧会用品を買いに行ったのだが、途中、ダイソンの羽根のない扇風機を発見。
「本当に風がくるんだね~」とひとしきり感動して、そこから離れようとした瞬間、見てしまった。


まるでブラックホールだね


2011/06/15

謎めいた人々

15人に1人は外国人、20人に1人は長髪男子(日本人)。

週末、夫と渋谷原宿を散歩して気付いたこと。

地震後日本から多くの外国人がいなくなったって聞いていたけど、
赤子から80代と思しき御婦人まで、ほとんどの年齢層とすれ違ったと思う。
外国人でひとくくりってのは申し訳ないけど。

長髪男子の方は、あれは何だろう。少し前のジョニー・デップばやりからの流れなのかな。
ヒスパニックへの憧れだろうか?ラティーノへの?侍への?
謎めいた長髪男子と外国人の組み合わせとなると、もうここがどこだかわからなくなる。
なんだか不思議だなあ。


私は「岩崎宏美に憧れてる謎の30女」




2011/06/06

『監督失格』を観ました

友人からのお誘いで、日比谷の東宝試写室にて『監督失格』を観させていただく。
事前情報はこれだけ。どなたかの言葉をそのまま借ります。

 《映画『監督失格』は、奇才・平野勝之監督の11年ぶりの新作であり、
 監督の元恋人で、2005年に34歳の若さで急逝した女優・ 林由美香への想いを
 綴ったドキュメンタリー映画です。またエヴァンゲリオンシリーズで知られる庵野秀
 明が、実写映画初プロデュースに挑んだ異色作でもあります。》


とにかく凄い映画。非常に疲れた。何故なら中盤からずっとこういう姿勢


で観ていたから。こういう姿勢じゃないと私には観られない映画だった。
耐え難いほど生々しい個人を見せつけられ、それは私にとって美しいとは決して言えないものなのだけれど、終わって泣いた。
こういう作品を撮ってしまって、平野監督は今後映画を撮れるのだろうか。
とも思ってしまいました。

2011/05/28

おじいさん曼荼羅

最近、小林秀雄の講演CDがあまりに面白いんで、志ん生と小林秀雄とをほとんど交互に聞いている。
この二人、呆けていると一瞬どちらかわからなくなるほど似ている。
甲高い声のその音域か、声質か。
話の運び方、間のとり方、抑揚の付け方など語り口まで似ている気がする。

と思って小林秀雄について書かれている文章を読んでみると、茂木健一郎の「脳と仮想」でも、
橋本治の「小林秀雄の恵み」でも、ほんの一瞬だけど志ん生について触れていた。
(後者は声じゃなくて文章の語り口についてだったかな。)

そうかと思ってネット上を彷徨ってみると、何だ、みんな知っていたのか。
色んなところで言われているや。
ははは、自分の発見かと思っちゃったよ。

それにしても熱のこもった魂の声を今でも聞くことができるってのは、本当に幸せなことだなあ。
時代を超えて届けてくれてるんだから、聞いた私もちゃんと行動しなくちゃいけないなあ。
さあがんばろうっと。




2011/05/20

展覧会のお知らせ

もうご存知の方はしつこくってごめんなさい。
この度、ピンポイントギャラリー主催の絵本コンペで優秀賞をいただきました。

震災後、何かをしなければと祈るような気持ちで描いた作品です。
今まで「文字が多すぎる」と言われ続けてきた私ですが、できあがってみると言葉のない絵本になり自分でも驚いています。

受賞作品につきましては、ピンポイントギャラリーにて展覧会をさせていただくことになっていますので、期間中お近くにお越しの際には是非お立ち寄りくださいませ。


 《優秀賞 2人展》  
     2011年7月4日(月)~7月9日(土) 13:00~19:00(最終日は17:00まで)
       ACCESSMAPなど→http://www.pinpointgallery.com/aboutus.html
       審査結果など→http://www.pinpointgallery.com/cn19/cn92/12COMPETOP.html

開催日近くにまたお知らせすると思います。しつこいので。よろしくお願いします。

2011/05/12

座りしょんべんして馬鹿になんなぁ

また志ん生。
仕事から帰宅後、楽しみにしていた「天狗裁き」(ニッポン放送)を初めて聞いたのだが、
今までの音源がアタリだったのか?

「あはははははははははっははははは~んあはっははははははっはうふふふふふふふふふ~ん」
と志ん生の声にかぶるようにして、四六時中AV女優のようなおなごの笑い声が入っている。
録音したポジションの問題もあるかもしれないけど、その笑いの間の悪いこと。
普通に話してるところでも「あははは~ん」と入るから、耳が乱されて仕方ない。
50年前のお客さんの悪口言ったってどうしょもないんだけど、幾らなんでもこれじゃ聞けないよぉ。
私だけ?そう思うのは私だけなのか?私の心が狭いのか?

志ん生の落語が好きなのは、緊張感を与えないで底抜けに笑わせてくれるからで、
ってことはやたらと笑い続けるあれはあれで一つの聞き方なんだろうか。
ああでもいやだよぉ、聞きたいよぉ、「天狗裁き」をちゃんと聞きたいよぉ。
ありゃ座りしょんべんして馬鹿になった女の笑い声だよぉ。ああ・・


2011/05/06

シンデレラハネムーン

めったに歌わない夫が突然「これ知ってる?」と言ってシンデレラハネムーンを歌いだした。
「あ、知ってる~、かっこいい曲だよね」と言ってノリノリで歌いだした私。

「あれ、でもこれ歌ってたの誰だっけ」と聞くと、夫は「岩崎宏美」と答える。
歌謡曲はいいよね~と言いながら、シンデレラハネムーンを歌う岩崎宏美を頭の中に呼び起こそうとするが、何かうまく思い出せない。記憶の中の岩崎宏美は動きが過激。


「あっ!岩崎宏美じゃない、コロッケだ!私の中のシンデレラハネムーンはパーマをかけたコロッケだ。」
と言って笑い転げていると、夫も「俺もだ」と言って笑った。



コロッケにはたくさんの名曲を教わった。夫婦で尊敬。
 

2011/05/02

サボテン

サボテンたちの植え替えをする。
植物という植物をとことん枯らしてしまう私のもとで、今いる子らは大変よく頑張っていると思う。
しかしまあたくさんの棘の刺さること。
去年植え替えしなかった恨みか、余りに面倒みないんで私を忘れたか。
どちらにしてもごめんなさいよ。
来年はもう少し大きい鉢を買うからね、大きくなっておくれよ、みんな。

2011/04/25

読書の時間

昔から電車に乗っている時が読書の時間だった。
たとえそれが3分でも、読みたくてウズウズする。
家にいる時はほとんど読めないのに電車だと集中できる。
見知らぬ人に囲まれているからかな。
特に震災後は節電のため、車中電気を消していることが多く、自然光の中、集中力が増す。
図書館勤めというのもあって、実に様々な本に出会うことができるし、今の読書環境はいい。
という訳でここ数ヶ月の間で読んでおもしろかった本、勉強になった本、感激した本。

 「文学の門」 荒川洋治
 「あの世 この世」 瀬戸内寂聴 玄有宗久
 「アミターバ」 玄有宗久
 「神、人を喰う -人身御供の民俗学-」 六車由実
 「シズコさん」 佐野洋子
 「変愛小説集2」 岸田佐知子 編
 「新しい浮子 古い浮子」 佐々木安美
 「ナニカアル」 桐野夏生
 「ハイウェイとゴミ溜め」 ジュノ・ディアズ
 
 「あしたうちにねこがくるの」 文 石津ちひろ 絵 ささめやゆき 
 「トリゴラスの逆襲」 長谷川集平 

エッセイ、小説、詩集、絵本とまとまりのない読書だけれど、ああいいなあ、面白いなあ。


    

2011/04/18

妻はモハメド・アリ

筋肉に詳しい夫に「背中の肉を落とすにはどうすればいいかな」と相談すると、「薪割り」と言われた。

本当にいいのかい?

2011/04/12

躍る心臓

不精者が久しぶりに美容院へ行き、おっぱいをすっかり隠す長い髪をバッサリ切った。

直接的に大きな悲しみを背負った人でない限り、多くの人はその悲しみに没頭することはできない。
だんだんに元のそれぞれの日常へと帰っていく。
そうして記憶を薄めていくさ中に、また揺さぶりをかけられて、思い出して悲しみにくれる。
忘れてくれるなと大地が足にしがみついているようだ。

髪を切って心が躍る帰り途中の大きな地震。
そのせいで今も心臓が躍り続けている。

2011/04/08

好きです、志ん生

落語ファンかと聞かれると「う~む」と考える。
私は落語が好きというより志ん生が好き。

私が生まれる前にもう亡くなってしまってる、全く違う時代を生きた人なのに、どうして現代の私の腹をこんなにもよじらせることができるのだろうなあって思う。
映像は少ししか残ってないからもちろん耳で聞くのだけれど、動いている志ん生が目の前に見えるような気がする。それほど近くに感じることができる。

どの話も面白いけど、私が特に回数多く聞くのはやっぱり「火焔太鼓」「替り目」かなあ。
「無人島にどの音源持って行きますか」と聞かれたら「志ん生を」と答えると思う。
「あと池袋交差点24時も」とも言うかな。

さあ今夜も聞きます、志ん生。
「ざまみゃがれぇ んとにぃ このかっぱむしゃぁ」

2011/04/02

やめられないとまらない

 二ヶ月やめていたタバコを復活させてしまった私に夫はこう言い放った。

夫婦でシャブ中ってことですかい?
やめるぞ、やめるぞ。

2011/03/30

悲しげな微笑で

昨日、蛇の脱皮した皮を貰うんで、友人Nとブクロで会う。(皮は仕事で使用)
ブクロなのに渋谷系が流れ続ける怪しげなカフェでおしゃべり止まらず。

延々しゃべってわかったことは二人とも苦情対応が得意ということ。
「こんな時謝っちゃう?」「謝っちゃうね、少しスキを見せる方がいいよね」
「口元はこうだよね」など、自分のテクを表情つきで披露し合っていたのだが、
最後にNは「肩パットは絶対だめ、小柄でなで肩がいい。ハウツー本で読んだ」とも言っていた。

壮絶な人生を送ってきたN、娘のため公務員になるんだと35歳にして一念発起、年齢的に最初で最後のチャンスを見事クリアし、社会福祉士の資格も取って今年4月から役所で新たな人生を歩み始める。
苦情対応テクが最大限活かされる職場、がんばれ、燃えるいい女!
              
正論なんてどうでもいいんだ
                    

2011/03/23

釈明

都内での買い占めが騒がれる中、近隣のスーパーへ行くと。

「みんな平常心失ってるわよ~、落ち着きなさいよ~」
「本当よね~普段そんなに買わないくせにね~」
と大声で買い占めを批判しながら買い物する二人連れのおばさんがいた。

「私はね、いつもどおりよ~、これは明日のお弁当に必要なの、これはうちの常備品でしょ、これはね」
と一つ一つ説明を始めたおばさん、見れば食料満杯のカゴを両脇に抱えていた。

周りを見渡せば皆、多くのカゴの中は慎ましく、こわばった表情で買い物をしている。
これ以上買ったら買い占めと思われるのではないか。他の人は買い占めをしているのだろうか。
普段持つことのない緊張感で、スーパーの空気はびんびんに張り詰めている。

私だってそうなんだ。
頭の中身がこぼれてたらきっと聞こえる。

「これは買い占めじゃありません、シメジと豆腐と牛乳しか買っていません、シメジは山積みだったからで、豆腐は賞味期限だって近いし、それに牛乳はですね」


2011/03/18

君の名は

一昨日の夜のこと。
通常通り仕事を終え、余震も怖いし冷え込んでいるしで、いつもの倍速で家路を急いでいたのだが、もうすぐ家というところで暗い脇道から、ジョリジョリジョリ、ジョリジョリジョリと何かをゆっくり引き摺る音が聞こえてきた。
何だろうと思って音の方向を窺うと、砂利道で見知らぬおばあさんが食器棚らしきものを引き摺っている。毎秒1センチぐらい。

あら大変とお手伝いを買って出て2、30メートル先のお宅まで何とか運び入れ、たいそう喜んでいただいたのだが、よくよくその食器棚を見ると粗大ゴミのシールが貼ってあった。
あ、これ他人様のゴミ拾ってきちゃった?と瞬間戸惑ったのだが、お歳を聞けば90歳。物を大切してきた世代だものなあと納得。

一仕事終えてその後寒空の下40分ほど世間話をしたのだが、おばあさん、地震については「私は花に水やってた、関東大震災かと思ったよ~」の一言で、あとは満面の笑みでもって、ひたすら園芸の話をしていた。

「ここにはさくらんぼも夏みかんもいっぱいなるの。あげるからね、必ず寄ってね。」と言ってくださって、「お名前は?」と5、6回聞かれた。
別れ際手を振りながら「あれ、名前なんだっけ」と、も一度聞かれ、きっともう夏みかんは私の手元に届かないからお気持ちだけ頂戴しますと心で返答しながら帰った。でも心和むいい時間だったな。

                    

2011/03/15

漫画家からの応援

漫画家三宅乱丈さんから呼びかけがあったとのことで、コミックビーム編集部から連絡があり、私も参加させていただいています。
昨日このブログでアップしたイラストも含まれていますが、是非ご覧ください。

2011/03/14

祈っています



         創業200年の蔵元の孫娘、三女、宮城つぎ子、6歳。
         酒を注ぐのが何より上手。未成年だから酒の味は知らないはずだが
         燗のつけ方など絶妙にうまい。
         いつも控えめに舟歌を口ずさみながら登場する。
         上に2人姉がおり、長女の夫が蔵元を継ぐことになっているが、
         皆つぎ子に継いでほしいと密かに思っている。         
         が、とうの本人はCAになりたいと思っている。

 
この子は一昨年、宮城県酒造組合のキャラクター公募に応募した際、最終選考まで残して頂いた子です。
キャラクター設定を自由にしてよいというのがいいなと思って、遊び気分で応募しました。

結局採用はされませんでしたが、それまで絵を描いて何かを手にする経験のなかった私にとって、
800分の5に残して頂くほど、宮城の誰かがこの子を気に入ってくださったということが、とにかく嬉しかった。
その時送っていただいた宮城のお酒、ちびちび飲むつもりがあっという間になくなってしまった。
私は下戸だけど日本酒は好き。本当においしかった。大方飲んだのは夫だけれど。

今回の地震で被災された方々に、穏やかな日常が一日でも早く戻りますように。
遠くからですが、祈っています。


 

2011/03/10

現実感

男も女も、30過ぎると途端、肌の質感がリアルになる気がする。
夢心地からざざっと投げ出されてなんとか現実に着地する、その時の内部の衝撃がだんだんと体の表面に現れてくる感じ。
よい経験もいやな経験も様々まとい始めたということかしら。
しわ、しみ、たるみはもちろん嫌で断固戦うつもりはあるのだけれど、最近は、この現実味を帯びてこそ人生、と鏡を見て思う。
夫の寝顔を見ても、そのたぷっとしたほっぺたのリアルを愛しく思う。ので舐める。でエルボーをくらう。
老化さえ肯定できるようになるってことは、歳をとるってのは強くなるってことだな。


「バカ言え~、俺達だってリアルだ~」by小学生


2011/03/07

感応

先日、私の友人知人の中で、奇人度ぶっちぎりナンバーワンの幼馴染Kとお茶をした。

彼女の念は多分象を殺められるほど強いと思う、見たことないけど。
その念が時々私に送られるのか、私が勝手に感応してしまうのか、何かと彼女にまつわる不思議体験が多いのだが、先日はとてつもない体験をした。

以前私は仕事中に、不要の本の帯や雑誌の切り抜きなどを色紙に糊付けし、上からコーティングして幾つかしおりを作ってあった。(これは職場、こども図書館のお姉さんに教わった、簡単でとてもいい)

友人へのプレゼントにしようと、半分冗談半分嫌がらせで、友人が貰いたがらなそうなのを作っていたのだが、あまりにだったのか誰もに拒絶され本当に貰い手がつかずにずっと私の手元に残ってしまった一枚があった。

そして先日。
はっとそれを思い出し、まあ拒絶されるだろうと思いつつ、「はい、プレゼント」とKに渡すと、
Kはすかさず「きゃっ」と言って笑った。しおりには池上彰のアップ。

K「実は私、この人と同じ誕生日なんだよね~」と言う。そこで私もゲラゲラ笑っていたのだが、
Kがしおりを裏返したその瞬間、Kは「ぎゃああっ」と言って止まった。裏には黒柳徹子の全身。
K「徹子さんも同じ誕生日・・・」

私はもちろん3人の誕生日を知らなかった。記憶力の悪い私は、幼馴染Kの誕生日も夏生まれ、ぐらいにしか記憶してなかったし、もちろん池上彰も黒柳徹子も、膨大な絵や写真の中から適当に選んだ二人。
ああ怖い。なんだろう、スロットで当たり目揃ったらこんな感じなのかな。

「これは絶対に私が貰うべきだよね・・」と言いながらそっと本にしおりを挟んだK。
ああ怖い。Kが怖い。私が怖い。

Kはリアルにこういう動きをします

2011/03/01

また寝入りの話

夫とは10年以上一緒にいるけれど、昨日初めて明かしてくれたこと。

私は寝る瞬間、歯をカチカチカチと小さく噛み合わせて、今から寝るぞと合図するのだそうだ。
昨日も夫が大事な話をしている時、相槌打って熱心に話を聞いているのかと思いきやカチカチカチが聞こえてきて、その後やはり寝たとのこと。

私の夢はアリス級だからか、歯ぎしり凄まじいし、舌を噛んで寝るし、寝返りも半端ないのだが、
となるとカチカチカチは「さあワンダーランドが始まるよ!」の拍子木代わりなんだろうか。
もしくはパズル名人を働かせる合図か。

ああ知らなかった。自分の変な癖、他にもたくさんあるのかな。
あったらそうっと教えてください。


2011/02/25

パズル名人

最近すこぶる体調が悪く、家でも職場でもまどろみの時間が多い。
しかし体調が悪いと言っておきながら、「もう今日は完全に寝ていいよ」のベッドでのまどろみの時間は
とても好きだ。

あっち側とこっち側を行ったり来たりするのがあまりに心地よいから、もう寝てしまえるのにわざと
戻ってきたりして遊ぶ。
あっち側では魂が肉体から離れて自分の肉体が散らばる感じ。
こっち側に戻ってくる時は、誰かパズル名人達が私の魂の指示に従って、断片を高速で並べてる感じ。
むやみに働かせてごめんよ、パズル名人達。


がんばれ、パズル名人!
 

2011/02/22

CURE

黒沢清監督「CURE」、多分5回以上は観てると思う。
同じ映画を何遍も観る人間ではないので、私にしては結構観ている方なのだが、
これを観ると毎度恐ろしいことが起こる。

画面が黄色がかるあるシーンにさしかかると、何故か毎回、脳の電源が落ちてしまうのだ。
というかまあ寝入ってしまうのだ、深く。とても重要な場面だし、直前まですごく緊張してるのに。

まともにそこを通過できたことがないので、今回は気合いを入れて
「よしきた、あの場面」と思っていたのに、やっぱり今回も気付いたら10分以上経過していた。
何だろう、これ。あの黄色が私の脳波に何か作用するのかな。
とはいえ、この映画、好き。

 ちなみにこの場面ではない。もっと黄色の場面。

2011/02/18

ガッテンガッテン

仕事がお休みの日は、朝食後、夫に熱い濃いお茶を出すようにしている。
でもすぐ忘れてしまうから、だいたい夫に要求されてから入れることになる。

ただの濃いお茶ではない。「ためしてガッテン」流。
お茶っぱをすり鉢でよくすってから入れる方式。
番組はちょっと見ただけだから正しい情報かどうかはわからないけど、
癌になりにくいって言うんだもん。
私は癌家系じゃないから飲まないけど夫には飲ませる。


今朝のこと。いつもの調子で入れたお茶を、夫が生臭いと言う。
「どうしてこんな臭いお茶が入れられるのか、それが知りたい。(ただのお茶なのに)」と。
飲んでみると確かに臭い。鯖の臭い。

ああそうだ、一昨日お義母さんが、鯖入りのなますをすり鉢で作っていたや。
すり鉢洗ったのは私だったっけ。

理由がわかってほっとしたけど、何度洗ってもすり鉢は臭い。助けて。

2011/02/11

雪を見る人

通勤途中にある渋谷の連絡通路では、普段、盲目的に歩く人々に押されるようにして、
私も寄り目のようになって歩いているのだが、今日はいつもと違う風景に、はっとして振り返った。

雪のために外で寝ていられなくなったおじさん達が、皆並んで、ぼうっと雪を見ていた。
寝床のない不安も、追い出された怒りも、雪景色への感動も、何も読み取ることのできない目で、
ただただぼうっと雪を見ていた。

2011/02/09

KOTARO & THE BIZARRE MEN

2月6日の日曜日、ファンでも何でもなかった友人を無理矢理引き摺って
コータロー・アンド・ザ・ビザールメンのライブへ行き、本当の男達に会う。

ライブ終了後、明治通りの空気を深く吸い込んで「ああ最高!」と振り返ると、
ファンでも何でもなかった友人は目がうつろ、完全に魂を抜かれていた。

ああ、お父さんお母さん、この人達と同時代に生んでくれてありがとう。

2011/02/05

私だけのもの

何人かの友人が、子供の頃、月は自分だけを追いかけてくるのだと思っていたと言う。
絵本のようでとても美しい感覚。

うちの夫は10代の頃、ロズウェル事件を追っているのは自分だけだと思っていたと言う。
それもまた若者の美しい陶酔。




2011/02/02

背中

 7、8年前眼科で働いていた頃のこと。
ある日常連のおばあさんが、やたらとバッグを私の体に擦り付けてくるので、
「どうなさいましたか?」と尋ねると、「あらやだ、棚かと思っちゃった。」と言われた。
暗い診察室の中でのこととはいえ、若い身空の私にとって棚に間違えられたショックは
大きかった。

私の背中、荷物置けそう?

そして今、週に3日ほど都内のこども図書館で仕事をしているのだが、
気付くと背中で赤ちゃん達がつどっているということがよくある。
そんな時私は、ただの岩か切り株のようになりすまし、
大自然の面持ちで小さい人間を見守るよう努めている。
ああ、成長・・・

赤子たちよ、わしの背中は広いじゃろう?


2011/01/30

明菜気分

ここ数ヶ月間の脳内ミュージックが来生たかおの「セカンド・ラブ」だった流れで、
今、中森明菜に夢中。
「十戒」の振り付けを練習しているのだが、左手が極端に不器用な私は、
指先まで神経が行き届かず、動きにキレがない。
せめて髪を掻きあげるタイミングだけは外さないようにと心がける。
それにしても30半ばで一体何になるつもりなのか、私よ。

まぶたの裏にスポットライトが見える・・


2011/01/28

マルチ

昼間ひとり優雅にお茶を飲んでいると、後ろからおばさまの叱責の声が。
「Yさんはバカよ~バカ。そんなのマルチに決まってるじゃない、本当バカね~」
どうやら高価な浄水器や布団やらのマルチ商法にひっかかった友人をたしなめている様子。
ふ~ん、色々あるねと思って聞いていたのだが、次の瞬間耳を疑った。


それともこれは裏の裏をかいた新手の詐欺なのか?


2011/01/26

「赤い風船」



あまりに素晴らしい映画でございました。
ビーム編集岩井さま、オススメありがとうございました。